これまでの経緯は、以下を参照して下さい。
⇒ 1.なぜウィリアム4世以降の銅貨の銘はBRITANNIAではなくBRITANNIARと最後にRがつくのか(照会編)
⇒ 2.なぜジョージ4世以降の銅貨の銘はBRITANNIAではなくBRITANNIARと最後にRがつくのか(回答編1)
⇒ 3.なぜジョージ4世以降の銅貨の銘はBRITANNIAではなくBRITANNIARと最後にRがつくのか(回答編2)
<疑問>
「なぜジョージ4世以降の銅貨の銘は、BRITANNIAではなくBRITANNIARと最後にRがつくのか」<回答>
ジョージ3世まで使われていたBRITANNIAはラテン語で、英語のBritain、つまり英国を表しているとのことです。このブリタニアは国名であって、中央に描かれている女神とは違い、英国を擬人化したブリタニア女神のことではないとのこと。
一方、ジョージ4世以降に使われているBRITANNIARもラテン語だが、上記BRITANNIAの複数形の所有格であるBRITANNIARUMの略語であるとのこと。
その意味するところは、英語で of the British territories。
そして、コロン(:)の後のREX(国王)またはREG(REGINAの略、女王)とセットで、
BRITANNIAR: REX = king of the British territories (英国領の国王)、または、
BRITANNIAR: REG = queen of the British territories(英国領の女王)を表している。
ここでいうBritish territories(英国領)とは、イングランドとスコットランドのあるブリテン島と、アイルランド島、及び周辺の島々のことで、いわゆる海外の植民地のことではないとのことでした。
<銘の変更理由>
銘が変更された理由としては、1801年にグレートブリテン王国(イングランドとスコットランドの連合王国)が、それまで植民地だったアイルランド王国と連合したのが理由ではないかと提起。
それによって、British territories(英国領)と複数形に変わったのではないか、と。
この推測について、大英博物館に問い合わせたところ、明確な答えは得られませんでした。
ただし、アイルランドとの関連でいうと、アイルランドは古来 Hibernia と呼ばれ、Britannia とは別の名前であった、と付け加えてくれました。
If there is a connection with Ireland it may be because Ireland is traditionally represented by Hibernia, not Britannia, but this is just supposition on my part. Evidence for the change might be in one of the coinage acts, which are in Hansard in the National Archives. Or the Royal Mint Museum may know.
また、大英博物館の方との遣り取りを通じて、最終的な解決には、銅貨の銘だけでなく、金貨、銀貨の銘を含めた総合的な考察が必要だということが分かりました。
ということで、とりあえず一旦ここで中締めとさせていただきます。
最後に、今回の探求では、ビクトリア&アルバート博物館と大英博物館の学芸員の方に大変お世話になりました。
熱く御礼申し上げます。
それによって、British territories(英国領)と複数形に変わったのではないか、と。
この推測について、大英博物館に問い合わせたところ、明確な答えは得られませんでした。
ただし、アイルランドとの関連でいうと、アイルランドは古来 Hibernia と呼ばれ、Britannia とは別の名前であった、と付け加えてくれました。
If there is a connection with Ireland it may be because Ireland is traditionally represented by Hibernia, not Britannia, but this is just supposition on my part. Evidence for the change might be in one of the coinage acts, which are in Hansard in the National Archives. Or the Royal Mint Museum may know.
また、大英博物館の方との遣り取りを通じて、最終的な解決には、銅貨の銘だけでなく、金貨、銀貨の銘を含めた総合的な考察が必要だということが分かりました。
ということで、とりあえず一旦ここで中締めとさせていただきます。
最後に、今回の探求では、ビクトリア&アルバート博物館と大英博物館の学芸員の方に大変お世話になりました。
熱く御礼申し上げます。
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