そして、その理由として、
1.経年による色の変化(パティナ)の美しさ
2.相対的な価格の安さ
を挙げました。
しかし、実はその時に銀貨以上に惹きつけられたものがあったのです。
それは銅メダルでした。
(銅メダルとはいっても、オリンピックのメダルではなく、記念メダルのことです)
なぜそんなに惹きつけられたのか、以下にその魅力について述べてみたいと思います。
1.経年による色の変化(パティナ)の美しさ
銀貨のパティナも美しいですが、銅のパティナも実際に見てみると思った以上に魅力的です。
同じ茶色でも、明るい茶もあれば、黒ずんだ茶もあり、何ともいえない「味」を味わうことができるのです。
また、銀貨の場合、オリジナルの輝きなのか、それとも薬品を使ってクリーニングされた輝きなのか、という疑念が入り込む余地があります。
しかし、銅メダルの場合、経年変化が当たり前の年代物がピカピカであれば不自然ですぐに分かるため、そのような疑念とも無縁だと思います。
2.相対的な価格の安さ
銅にも価格はありますが、金銀に比べれば無いに等しい価格です。
(最近の1グラムあたりの価格は、金が5000円、銀が60円に対して銅は0.7円)
従って、例えば10グラムの金貨の場合、金価格だけで5万円です。
それにひきかえ銅自体の価格はほぼゼロですから、銅メダルの価格は、デザイン、希少性、歴史などの付加価値だけです。
その結果、少ない資金でより多くの作品を所蔵することができます。
また、副次的なメリットとして、価格が安いので、偽物が作られる心配もないだろうと思われます。
3.より立体的なデザイン
メダルの実物を見ると分かりますが、硬貨と比べてメダルのデザインはより立体的に作られています。
流通の際の磨耗を気にする必要がないからです。
従って、肖像の厚み、盛り上がりも格段で、よりデザインを楽しむことができます。
4.より大型のサイズ
硬貨の場合、持ち運びの利便性を考慮するため、大きさに限度があります。
それにひきかえメダルの場合、持ち運びの利便性を考慮する必要がありません。
従って、小さいサイズでもクラウン銀貨ほどの大きさがあり、今私の手元にあるメダルの直径は55mmと大型です。
大きなメダルの場合、そのデザインの迫力もさることながら、手に持った時の重量感も堪りません。
5.流通しないのでほぼ磨耗がない
3で述べたように、より立体的なデザインであるにもかかわらず、硬貨のように流通されることも少ないので、磨耗がほとんどありません。
従って、相当古いメダルでも、オリジナルの繊細なデザインを楽しむことができます。
5.様々なテーマ、肖像
通常硬貨で使われる肖像は、国王や女王が多くなります。
それにひきかえメダルの場合は、様々なテーマが扱われるため、芸術家や軍人などより多種の肖像が使われています。
もちろん国王や女王に関わる歴史を知ることは素晴らしいですが、より様々なメダルに使われたテーマや他の肖像を調べることによって、歴史や文化の視野は更に飛躍的に広がります。
以上のように、銅メダルには様々な魅力がありますが、デメリットも考察しておきます。
1.情報が少ない
硬貨の場合、書籍はかなり充実しています。
世界中で発行された硬貨がほぼ網羅されており、発行枚数、グレードごとの価格なども知ることができます。
それにひきかえ、メダルの情報はかなり少ないです。
インターネットで地道に調べるしかありません。
しかし、それもまた楽しみだとも言えるでしょう。
苦労した挙句にやっと突き止めた時の喜びは格別です。
あるメダルを調べていて、同じメダルが英国のビクトリア&アルバート博物館にも所蔵されていることが分かった時は感動しました。
2.適正価格が分からない
上記の通り、情報が少ないため、魅力的なメダルを発見しても、それが高いのか安いのか判断する基準がありません。
従って、色々なメダルを見ることによって、相場観を自分で養っていくしかありません。
ただ、これはあるコイン・ディーラーから聞いたことですが、日本ではメダル目当てに外国から購入することは少なく、硬貨目当てで購入したロットにたまたまメダルが含まれているということが多いとのこと。
従って、そのようにして入手されたメダルであれば、値段も安く設定され、思わぬ掘り出し物に会えるかもしれません。
3.供給も少ない
元々メダルは硬貨に比べて発行量が少ない上に、日本ではメダルに関する情報も少なく需要もないため、供給量自体がかなり少ないと思われます。
コイン・ディーラーによっては殆ど扱っていないところもあるのではないでしょうか。
しかし、入手が困難であればあるほど逆に燃えるのも収集の醍醐味です。
いかがでしょうか。
私も銅メダル収集は始めたばかりですが、上記のデメリットでさえも楽しみに変えながら、銅メダル収集を楽しんでいきたいと思います。
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