2019年12月4日水曜日

ニュージーランド エリザベス2世 ハーフペニー銅貨 1954年

今回は、1954年に鋳造されたニュージーランドのハーフペニー銅貨を紹介します。


いきなりで申し訳ありませんが、何を隠そう、この銅貨は、私の血と汗と涙の結晶なのです。

何しろ、あるアンティークショップに3か月間通いつめ、手の指を真っ黒にして、何千枚もあるペニー、ハーフペニー銅貨の中からようやく見つけ出した逸品なのですから。

思い返せば、あれは、ある9月の午後のことでした。

「こんにちは。こちらのお店ではコインは扱っていますか?」

「どんなコインかしら?」

「十進法になる前の、英国やその植民地などのコインなんですが」

「そういうのはないわね。うちにあるのは、ニュージーランドのコインだけよ」

そう言って、蓋を開けて見せてくれたのは、銅貨がぎっしり詰まった大きな宝箱でした。

「重くて移動できないけど、ここで好きなだけ見ていいわよ」

それ以来、その言葉に甘えて、何度も通いました。

目当ては、ある年のペニー銅貨とハーフペニー銅貨です。

一時はもう諦めようかと思ったこともあったのですが、頑張って通ったのです。

床に座り込んで、ひたすらコインを探す怪しげな私を、いつも笑顔で迎え入れてくれた女性店主には、宮迫ではありませんが、「感謝しかないですよ、感謝しか」。

それでは、果たして、この銅貨の何が凄いのでしょうか。

実は、この年のハーフペニーは、圧倒的に鋳造枚数が少ないのです。

下のグラフをご覧下さい。

1954年と1955年には、それぞれ240千枚しかつくられていないのです。

他の年と比べて、思い切り少ないのが、一目瞭然です。

前置きはこれくらいにして、ハーフペニー銅貨を見ていきましょう。

表は、月桂冠をいただいた右向きのエリザベス2世の胸像。

この胸像は、1953年から1955年に作られた、「肩ひもなし」(no shoulder strap)というタイプです。

因みに、1956年以降は、「肩ひもあり」(with shoulder strap)に変わっています。

ただ、その真相は、当初、金型の浮彫りが不十分で、また鋳造が弱かったことから、肩の服の折返しが消えてしまっていたようです。

ということで、後年、金型が作り直されたとか。

銘は、+QUEEN ELIZABETH THE SECOND

とてもシンプルで、英国やオーストラリアのように、DEI・GRATIA・REGINA (・F:D:) といったラテン語の文言は見られません。

この省略には、何か特別な意味が込められているのでしょうか。

彫刻師は、Mary Gillick で、肩の下の断面に M.G. のイニシャルがあります。

裏は、ニュージーランドの先住民族であるマオリ族の、装飾的なペンダントであるヘイティキ(Hei-tiki)が描かれています。

ヘイティキは、ティキ神話において、ポリネシアの神の一人で人間の創造主であるターネイによって創造された最初の人間であるとのこと。

これを持っていると、魔除けになり、幸運をもたらしてくれるらしいです。

ということで、私の家にもあります。

銘は、NEW ZEALAND HALF PENNY 1954 。

彫刻師は、Leonard Cornwall Mitchell (1901-1971) です。

そのアンティークショップの「宝箱」にはまだ未見の銅貨があります。

何とか、1955年のハーフペニー銅貨を見つけ出したいものです。

(それと、1956年の「肩ひもなし」(no shoulder strap)のペニー銅貨。

ヘイティキ様、どうか(銅貨)宜しくお願いします。

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国名ニュージーランド
金額ハーフペニー
発行年1954年
発行枚数240,000
統治者エリザベス2世(在位1952-)
硬貨タイプ標準流通貨
材質ブロンズ
重量5.6g
直径25.4mm
参照番号KM#23.1

2019年12月1日日曜日

オーストラリア エリザベス2世 1フローリン銀貨 1963年

今回は、1963年にオーストラリアで鋳造された1フローリン銀貨を紹介します。


オーストラリアは1966年に十進法化されて、オーストラリア・ポンドからオーストラリア・ドルに変わりましたが、1963年はまだポンドの時代でした。

また、1966年の十進法化に備えて、フローリン銀貨の鋳造は1963年で終了したので、この銀貨は最後の年の銀貨ということになります。

1フローリンは2シリング。

2シリングは24ペンス。

1ポンドは240ペンスなので、1フローリンは10分の1ポンドです。

大きさは、直径28.50mm、銀の含有率は50%です。

フローリン銀貨は、1910年から1945年までは銀の含有率が92.5%のスターリング・シルバーでしたが、1946年以降は50%に下げられています。







表は、月桂冠をいただいた、右向きのエリザベス2世の胸像です。

銘は、+ELIZABETH・II・DEI・GRATIA・REGINA・F:D:(Elizabeth II, by the Grace of God, Queen, Defender of the Faith) です。

彫刻師は、Mary Gillick (1881-1965) です。

尚、絶対にあると思って見れば見えるかもしれない程度に、胸像の肩の下の断面に M.G.のイニシャルがあります。

(カナダの1963年の50セント銀貨の彫刻師も同じMary Gillickで、それには M.G. のイニシャルがあったので、もしやと思って見たのですが、かすかではありますが確かにM.G. のイニシャルがあります。)























裏は、オーストラリアの国章です。

王冠の下の盾は、6つに仕切られており、それぞれにはオーストラリアの6つの州の紋章が描かれています。

そして、その盾を、オーストラリアの在来種の動物であるカンガルーとエミュが左右で支えています。

ここでひとつ問題です。

下にオーストラリアの国章のイラストがありますが、6つの州の紋章の内、ひとつだけ銀貨の紋章と違うものがあります。

それはどれでしょう。

正解は、、、どうぞ、読み続けて下さい。



















6つの州の紋章は、左上から時計周りに、

1.左上:ニューサウスウェールズ州 ライオンと星のセント・ジョージ・クロス

2.中上:ビクトリア州 セント・エドワードの王冠とサザンクロス

3.右上:クイーンズランド州 マルタ・クロスと王冠

4.右下:タスマニア州 赤いライオン

5.中下:西オーストラリア州 黒鳥

6.左下:南オーストラリア あれ? 鳥?

どう見ても、銀貨の紋章とイラストの紋章は違って見えます。

それもそのはず。

現在の南オーストラリアの紋章は、パイピング・シュライクという白黒の百舌鳥で、イラストでも羽を広げた鳥が描かれているのですが、1936年から1984年までは以下の紋章であったとのこと。
























太陽(?)と共に、何かが描かれています。

(残念ながら、これらが何を意味するかは分かりませんでした。)

そう思って、もう一度銀貨の紋章を見てみると、確かに同じ紋章です。

従って、正解は南オーストラリア州の紋章でした。

先に進みます。

盾や動物の背景にある植物は、オーストラリアの国花である golden wattle という黄色いアカシアの花です。

(オーストラリアのスポーツチームが着るユニフォームの色が黄色(黄金)と緑なのは、このアカシアから来ているとのことです。この知識、いつか合コンで使えそうです。)

一番上に記されている FLORIN の両脇には、七芒星があります。

これは、6つの州と、その他のテリトリー(北部準州やノーフォーク・アイランド)を表しているそうです。

そして、一番下には、1963 AUSTRALIA と、年号と国名が記載されています。

彫刻師は、George Kruger Gray 。

エミューの首の右辺りに K・G のイニシャルがはっきりと見えます。

一枚の銀貨を通じて、これで貴方も立派なオーストラリア通です。

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国名オーストラリア
金額1フローリン(=2シリング)
発行年1963年
発行枚数12,002,000
統治者エリザベス2世(1952 - )
硬貨タイプ標準流通貨
材質銀(.500)
重量11.31g
直径28.50mm
参照番号KM#60

英国 エドワード7世 1ペニー銅貨 1910年

1910年に英国で発行された1ペニー銅貨を紹介します。 1910年は、エドワード7世の在位中(1901年ー1910年)最後の年に当たります。 エドワード7世はビクトリア女王の長男。 ビクトリア女王の治世が長かったせいで、即位したのは59歳の時だったとか。 若かりし頃の紅顔の...