2020年2月22日土曜日

英国 ビクトリア女王 ハーフ・ファージング銅貨 1844年

今回は、1844年に英国で鋳造されたハーフ・ファージング銅貨を紹介します。



ファージングは、4分の1ペニー。

ハーフ・ファージングは、そのまた2分の1なので、8分の1ペニーということになります。

こんな額面の硬貨があったとは知りませんでした。

一番最初のハーフ・ファージングは、ジョージ4世治世の1828年にセイロンで使用するために作られたとのことです。

そして、ビクトリア女王治世の1842年には英国本国においても法定通貨とされ、断続的に1856年まで発行されました。

想像通り、この銅貨はとても小さく、直径は18mmしかありません。

下の写真を見て下さい。

左が直径22mmのファージング銅貨、中央がこの直径18mmのハーフ・ファージング銅貨、そして右が直径16mmのサード・ファージング銅貨(サードは3分の1)です。

(左から、ファージング、ハーフ・ファージング、サード・ファージング)




ファージング銅貨でさえ十分に小さいのに、それよりも小さいのです。

裏(左から、ファージング、ハーフ・ファージング、サード・ファージング)




因みに、重さは見事に額面に比例しています。

ファージング銅貨の重さは4.72g、ハーフ・ファージング銅貨がその半分の2.36g、そして3分の1ファージングのサード・ファージング銅貨は3分の1の1.57gです。

それでは、デザインを見てみましょう。




表は、左向き、「ヤングヘッド」のビクトリア女王の肖像が描かれています。

銘は、VICTORIA D:G: BRITANNIAR: REGINA F:D: (Victoria by the Grace of God, Queen of the Britons, Defender of the Faith)。

彫刻師は、William Wyon (1795-1851)。























裏は、一番上が王冠。

次に、HALF FARTHING 1844、

そして、一番下には、以下の3つの国花が描かれています。

左が、スコットランドの国花であるアザミ。

中央が、イングランドの国花であるチューダーローズ。

そして、右が、アイルランドの国花であるシャムロックです。

3国の国花が描かれている他の硬貨とは違い、左右の国花が逆になっているのは何故なのでしょうか。

気になるところです。

尚、英国本土で法定通貨となる以前に作られた、1839年のハーフ・ファージング銅貨では、イングランド国花のチューダーローズだけが描かれていたとのことです。

もしも英国本国で法定通貨になった後で、イングランド国花のチューダーローズしか描かれていない銅貨を発行していたら、スコットランド、アイルランドの人々が黙っていなかったのかもしれません。

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国名英国
金額ハーフ・ファージング
発行年1844年
統治者ヴィクトリア女王(1837-1901)
硬貨タイプ標準流通貨
材質
重量2.36g
直径18mm
鋳造数6,451,000
鋳造場所英国ロンドン
参照番号KM#738, Sp#3951

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