今回は、1844年に英国で鋳造されたハーフ・ファージング銅貨を紹介します。
ファージングは、4分の1ペニー。
ハーフ・ファージングは、そのまた2分の1なので、8分の1ペニーということになります。
こんな額面の硬貨があったとは知りませんでした。
一番最初のハーフ・ファージングは、ジョージ4世治世の1828年にセイロンで使用するために作られたとのことです。
そして、ビクトリア女王治世の1842年には英国本国においても法定通貨とされ、断続的に1856年まで発行されました。
想像通り、この銅貨はとても小さく、直径は18mmしかありません。
下の写真を見て下さい。
左が直径22mmのファージング銅貨、中央がこの直径18mmのハーフ・ファージング銅貨、そして右が直径16mmのサード・ファージング銅貨(サードは3分の1)です。
表(左から、ファージング、ハーフ・ファージング、サード・ファージング) |
ファージング銅貨でさえ十分に小さいのに、それよりも小さいのです。
裏(左から、ファージング、ハーフ・ファージング、サード・ファージング) |
因みに、重さは見事に額面に比例しています。
ファージング銅貨の重さは4.72g、ハーフ・ファージング銅貨がその半分の2.36g、そして3分の1ファージングのサード・ファージング銅貨は3分の1の1.57gです。
それでは、デザインを見てみましょう。
表は、左向き、「ヤングヘッド」のビクトリア女王の肖像が描かれています。
銘は、VICTORIA D:G: BRITANNIAR: REGINA F:D: (Victoria by the Grace of God, Queen of the Britons, Defender of the Faith)。
彫刻師は、William Wyon (1795-1851)。
裏は、一番上が王冠。
次に、HALF FARTHING 1844、
そして、一番下には、以下の3つの国花が描かれています。
左が、スコットランドの国花であるアザミ。
中央が、イングランドの国花であるチューダーローズ。
そして、右が、アイルランドの国花であるシャムロックです。
3国の国花が描かれている他の硬貨とは違い、左右の国花が逆になっているのは何故なのでしょうか。
気になるところです。
尚、英国本土で法定通貨となる以前に作られた、1839年のハーフ・ファージング銅貨では、イングランド国花のチューダーローズだけが描かれていたとのことです。
もしも英国本国で法定通貨になった後で、イングランド国花のチューダーローズしか描かれていない銅貨を発行していたら、スコットランド、アイルランドの人々が黙っていなかったのかもしれません。
にほんブログ村
0 件のコメント:
コメントを投稿