今回は、1844年に英国で鋳造されたサード・ファージング銅貨について紹介します。
ファージングは、4分の1ペニー。
サードは、3分の1。
従って、サード・ファージングは1/4x1/3=1/12=12分の1ペニー。
最初のサード・ファージング銅貨は、ジョージ4世治世の1827年に、地中海のマルタで使用するために作られたそうです。
マルタは、ナポレオン戦争後の1815年に、ウィーン会議で英国の領有となっています。
その結果、1ファージングがマルタの3グラニ(grani=granoの複数形)として流通していました。
そして、1グラノ(grano)相当額として、1827年にサード・ファージング銅貨が作られたという経緯があったそうです。
因みに、前回紹介したハーフ・ファージング銅貨は、セイロンでの導入後英国本土でも法定通貨となりましたが、サード・ファージング銅貨はその後も英国本土で法定通貨とはならなかったとのことです。
表は、左向きの「ヤングヘッド」のビクトリア女王の肖像です。
銘は、、、目を細めてよーく、、、見ても分かりませんが、VICTORIA DEI GRATIA 1844 と記されているはずです。
何故1844年と断定できるのか?
目を細めてよーく見ると、一番右の数字が4に見えるでしょ?
というだけでなく、明確な理由があるのです。
何と、「ヤングヘッド」のサード・ファージング銅貨は、1844年にしか作られていなかったのです。
ありがたいことです。
裏は、右向きに座った、お馴染みのビクトリアが描かれています。
銘は、BRITANNIAR: REG: FID: DEF: (Queen of Britain, Defender of the Faith)。
(1866年以降に作られたものには、中央にTHIRD FARTHING と書かれているのですが、1844年のものには額面は記されておらず、従って金額は大きさで判断するしかありません)
一番下には、3つの国花が描かれています。
かなり見づらいですが、
左が、アイルランド国花のシャムロック、
中央が、イングランド国花のチューダーローズ、そして、
右が、スコットランド国花のアザミです。
アザミはこの写真でもよく分かります。
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