2020年2月28日金曜日

1.なぜウィリアム4世以降の銅貨の銘はBRITANNIAではなくBRITANNIARと最後にRがつくのか(照会編)

英国の銅貨の中には、英国を擬人化した象徴として、ブリタニア女神が描かれているものがあります。

そして、女神が描かれているだけでなく、以下のように「ブリタニア」と銘にも記されているものもあります。

今回は、その「ブリタニア」のスペルについての疑問について(照会編)です。

疑問とは、題名の通り、

「なぜウィリアム4世以降の銅貨の銘は、BRITANNIAではなくBRITANNIARと最後にRがつくのか」

というものです。


<BRITANNIA>


裏(右側)の銘をご覧下さい。

例えば、1697年のウィリアム3世のハーフペニー銅貨では、通常一般にも使われているBRITANNIAというスペルが使われています。



1754年のジョージ2世のファージング銅貨でも、BRITANNIA。



そして、1797年のジョージ3世の2ペンス銅貨でも、同様にBRITANNIAです。




<BRITANNIAR>


ところが、1834年のウィリアム4世のファージング銅貨では、そのスペルがBRITANNIARに変わっています。

BRITANNIAにRが追加されているのです。



また、1853年のビクトリア女王のファージング銅貨でも、同様です。



この違いは何なのでしょうか。

大抵の疑問はインターネットで解決できる21世紀の世の中なので、BRITANNIARという単語で検索してみました。

ところが、ひとつもヒットしません。

ヒットしないのであれば、調べようもありません。

途方に暮れてしまいました。

ということで、思い切って英国にある博物館など3ヶ所に、以下の照会メールを送ってみました。

果たして、返事をくれるのか。

そもそもメールで照会するほどの疑問なのか。

そんな弱気な気持ちもありました。

しかし、人生は短いのです。

何事も当たって砕けろということで、照会中です。

気長に待ってみることにします。


Dear Sir/Madam,

I would like to ask you about 'BRITANNIAR' with an 'R' at the end of the word in some Victorian coin legend.

It is said that a national personification of the United Kingdom is BRITANNIA. But on some Victorian coins, the legend reads 'BRITANNIAR' instead of 'BRITANNIA.'

I would appreciate it if you would tell me the difference between BRITANNIA and BRITANNIAR, and why BRITANNIAR is used on the Victorian coins.

Thank you for your cooperation and look forward to hearing from you.


(注:メール照会をした時点では、ウィリアム4世の銘にもBRITANNIARという単語が使われていると気づいていなかったので、「ビクトリア時代」と書かれています)

拝啓

ビクトリア時代の硬貨の銘に使われている、最後にRがついているBRITANNIARという単語について教えて下さい。

英国で擬人化された象徴はBRITANNIAと言われていますが、ビクトリア時代の硬貨にはBRITANNIAの代わりにBRITANNIARが使われているものがあります。

BRITANNIAとBRITANNIARの違いは何でしょうか。

また、なぜビクトリア時代の硬貨ではBRITANNIARという単語が使われているのか、教えていただけると光栄です。

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