つい最近の硬貨だと思ったのですが、考えてみればもう40年前になります。
先日、配偶者が通う英会話教室の先生が、私にと言ってくれました。
もう亡くなった弟さんが集めていたコインの中の1枚とのこと。
そんな貴重な1枚を頂けるなんて、嬉しい限りです。
額面は1ニュージーランド・ドルで、直径38.61mm、重さ28.28gと、大きさ、重さは、昔のクラウン銀貨と同じです。
材質は銀ではなく、銅とニッケルの合金の白銅ですが、表面が鏡のようにピカピカに仕上げられていて、とても美しいです。
表は、ティアラを被り、右を向いたエリザベス2世の胸像が描かれています。
三連のネックレス、イヤリングも付けられていて、とても煌びやかです。
下の写真を見ると、このティアラを被っているせいか、確かに、女王陛下も非常に嬉しそうです。
このティアラは、「アレキサンドラ皇后のココシュニック・ティアラ」と呼ばれるものだとのこと。
1888年に、エリザベス女王の曾祖母にあたるアレキサンドラ皇后に、エドワード7世(当時はまだ皇太子)との結婚25周年を記念して、贈られたというティアラです。
それをエリザベス女王が受け継いでいます。
「ココシュニック」とはロシアの伝統的な頭飾りだとのこと。
なぜここでロシアが出てくるかというと、、、。
アレキサンドラ皇后には妹がいて、その妹はロシア皇帝アレキサンドル3世に嫁いで、マリア・フォードロヴナ皇后となりました。
そして、アレキサンドラ皇后が結婚25周年の際、その妹が所有していたココシュニック・ティアラと同じようなものが欲しいと所望して作られたとのこと。
61本のプラチナバーと、488個のダイヤモンドが散りばめられていて、2つの最も重いダイヤモンドは1個あたり3.25カラットあるそうです。
言ってみるものです。
銘は、ELIZABETH II QUEEN OF NEW ZEALAND 1979。
「(英国)女王」ではなく「ニュージーランド女王」というところが、個人的には好きです。
彫刻師は、ロンドン生まれのニュージーランド人芸術家 George James Berry (1906-1979)。
裏は、中央には王冠とニュージーランドの盾、その両脇にはニュージーランドの象徴であるシルバーファーン(銀シダ)が描かれています。
盾は、縦に3分割されていて、左側が北島、右側が南島、そして中央はクック海峡を表しているとのこと。
そして、
左上:国旗にも描かれている南十字星
左下:農業のシンボルである麦の束
中央:海上交易のシンボルである3隻の船
右上:畜産業のシンボルである羊の毛皮
右下:工業のシンボルである交差したハンマー
が描かれています。
銘は、額面の ONE DOLLAR のみ。
彫刻師は、英国人の William Maving Gardner です。
今まで現代のコインは基本的に収集対象外だったのですが、英会話の先生のご厚意からこの白銅貨をいただいて、英国王室のティアラの由来やニュージーランドの国章の意味を知ることができました。
ありがとうございました。
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