今回は、2015年に鋳造されたニュージーランドの50セント記念硬貨を紹介します。
The Spirit of ANZAC。
ANZACとは、第一次世界大戦時に編成されたThe Australia and New Zealand Army Corps=オーストラリア・ニュージーランド軍団のことです。
この軍団が、1915年4月25日にオスマン帝国(現トルコ)のガリポリ海岸に上陸を敢行して、多数の犠牲者を出しました。
この上陸作戦の100周年を記念して、この硬貨が発行された訳です。
実は、このANZAC軍団と日本とは深い関係があります。
日本は1902年から日英同盟を結んでいた関係で、1914年に始まった第一次世界大戦では英国、オーストラリア、ニュージーランドなどと同じ連合国側に属していました。
そのため、ANZAC軍団がインド洋を横断して欧州戦線に遠征する際には、大日本帝国海軍の巡洋戦艦・伊吹が、その船団の護衛任務にあたったのです。
このような事実は、ニュージーランド人でも、否、日本人でさえ知っている人は少ないと思われるので、是非伝えていきたい歴史です。
実は、この事が言いたくて、この硬貨の紹介をしている次第です。
表は、王冠を被った右向きのエリザベス2世の肖像が描かれています。
銘は、NEW ZEALAND ELIZABETH II 2015。
彫刻師は Ian Rank-Broadley (1952- ) で、2015の上にIRBのイニシャルが見えます。
ニッケルメッキの鉄製でピカピカです。
裏は、黒を背景に、ANZAC軍団のニュージーランド兵とオーストラリア兵が背中合わせに立って、戦死者に対して黙祷をしています。
写真では見づらいかと思いますが、両兵士の正面に描かれた模様は、銀色ではなく白色で描かれています。
この白いデザインは、マンゴペア Mangopare と呼ばれるハンマーヘッド・シャークを模したマオリ族のデザインで、力や強い意志を表しているとのこと。
また、その両脇にはニュージーランドの象徴であるシルバーファーン(銀シダ)が描かれています。
リボンには、1915-2015と、ガリポリ上陸作戦の年と、百周年の年が記されています。
銘は、・THE SPIRIT OF ANZAC・WE WILL REMEMBER THEM・50 CENTS。
彫刻師は David Burke。
この硬貨は、カナダ王立造幣局で100万枚鋳造された、ニュージーランド初の色付き流通硬貨だとのこと。
黒や白の色が付いたこの硬貨を最初に見た時は、ピカピカだったこともあり、ゲームコーナーのメダルかと思いました。
思わず、アンティーク・ショップのおじさんに「これは本物ですか?」と聞いたほどです。
するとそのおじさんはグーグルで調べてくれ、おまけに無料(タダ)でくれたのです。
本当にいい人です。
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