クライストチャーチのアンティーク・ショップで見つけました。
銅貨でもなければ、銀貨の色でもない。
ちょっと黄色みがかった色に、もしかして金貨?と淡い期待が!
しかし、値段はNZ$10。
そんなはずはありません、、、。
いや、いや、しかし、思わぬ掘り出し物かもしれないぞ!
そう期待に胸を膨らませて家路を急ぎました。
しかし、色々調べた結果、ビクトリア時代に作られた”スペード”ハーフギニー金貨を模したトークンと判明。
がっかりです。
という前置きはこれくらいにして、トークンを見てみましょう。
表は、右を向いたジョージ3世の胸像。
周りには、
GEORGIVS III DEI GRATIA
の銘。
参考:ジョージ3世 6ペンス銀貨(表面) |
模した”スペード”ハーフギニー金貨ではありませんが、確かに、ジョージ3世の6ペンス銀貨と同じ体で、直径も20.5mmと同じです。
しかし、こうして見比べてみると、作りがいかにも安っぽく、全く異なっているのが一目瞭然です。
どう見ても、金貨の訳がありません。
裏は、”スペード”ハーフギニー金貨と同じような王冠をいただいた紋章が描かれています。
4つに仕切られた中には、
左上:イングランドとスコットランドを表す、3頭のライオンと1頭のライオン
右上:フランスを表す、3つの百合
右下:ハノーバー家の紋章
左下:アイルランドを表す、ハープ
が描かれています。
そして、周りには、
N.C.R.ET.CO.L.T.REX.FD.B.I.R.M.1790
の銘。
問い合わせをした、バーミンガム美術館(Birmingham Museum and Art Gallery)の方によると、
⇒ 補足: 英国 ジョージ3世 イミテーション・トークン 1860〜1870年
最初の、N.C.R.ET.COは、トークン・メーカーのNCR and Co.を表しており、
最後の、B.I.R.M.は、そのメーカーの所在地であるバーミンガム(Birmingham)を表していると推察されるとのことです。
従って、鋳造地も英国バーミンガムと考えられます。
また、銘では、1790と書かれていますが、実際に作られたのは、ビクトリア時代だろうとのこと。
Portable Antiquities Scheme のウェブサイトで紹介されているトークン(Unique ID : LANCUM-069173)の説明によると、この手のトークンは1860年~1870年頃に作られていたようです。
⇒ 参照:Portable Antiquities Scheme ウェブサイト
トークンの用途は、広告目的、あるいは、ゲーム用のカウンター(点棒)であったとここと。
参考:ジョージ3世 6ペンス銀貨(裏面) |
因みに、デザインは異なりますが、ジョージ3世の6ペンス銀貨の裏面と比べると、やはり作りが雑です。
まあ、とはいえ、これも人間の営みの一部、歴史の一部です。
貴重なコレクションの一枚となりました。
(何だ、金貨じゃなくて、ブラスかよ!)
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