2019年10月5日土曜日

英国 ジョージ3世 イミテーション・トークン 1860〜1870年

今回は、ジョージ3世が描かれたトークンの紹介です。

クライストチャーチのアンティーク・ショップで見つけました。

銅貨でもなければ、銀貨の色でもない。

ちょっと黄色みがかった色に、もしかして金貨?と淡い期待が!

しかし、値段はNZ$10。

そんなはずはありません、、、。

いや、いや、しかし、思わぬ掘り出し物かもしれないぞ!

そう期待に胸を膨らませて家路を急ぎました。

しかし、色々調べた結果、ビクトリア時代に作られた”スペード”ハーフギニー金貨を模したトークンと判明。

がっかりです。

という前置きはこれくらいにして、トークンを見てみましょう。























表は、右を向いたジョージ3世の胸像。

周りには、

GEORGIVS III DEI GRATIA

の銘。

参考:ジョージ3世 6ペンス銀貨(表面)



















模した”スペード”ハーフギニー金貨ではありませんが、確かに、ジョージ3世の6ペンス銀貨と同じ体で、直径も20.5mmと同じです。

しかし、こうして見比べてみると、作りがいかにも安っぽく、全く異なっているのが一目瞭然です。

どう見ても、金貨の訳がありません。























裏は、”スペード”ハーフギニー金貨と同じような王冠をいただいた紋章が描かれています。

4つに仕切られた中には、

左上:イングランドとスコットランドを表す、3頭のライオンと1頭のライオン

右上:フランスを表す、3つの百合

右下:ハノーバー家の紋章

左下:アイルランドを表す、ハープ

が描かれています。

そして、周りには、

N.C.R.ET.CO.L.T.REX.FD.B.I.R.M.1790

の銘。

問い合わせをした、バーミンガム美術館(Birmingham Museum and Art Gallery)の方によると、

⇒ 補足: 英国 ジョージ3世 イミテーション・トークン 1860〜1870年

最初の、N.C.R.ET.COは、トークン・メーカーのNCR and Co.を表しており、

最後の、B.I.R.M.は、そのメーカーの所在地であるバーミンガム(Birmingham)を表していると推察されるとのことです。

従って、鋳造地も英国バーミンガムと考えられます。

また、銘では、1790と書かれていますが、実際に作られたのは、ビクトリア時代だろうとのこと。

Portable Antiquities Scheme のウェブサイトで紹介されているトークン(Unique ID : LANCUM-069173)の説明によると、この手のトークンは1860年~1870年頃に作られていたようです。

⇒ 参照:Portable Antiquities Scheme ウェブサイト

トークンの用途は、広告目的、あるいは、ゲーム用のカウンター(点棒)であったとここと。

参考:ジョージ3世 6ペンス銀貨(裏面)


















因みに、デザインは異なりますが、ジョージ3世の6ペンス銀貨の裏面と比べると、やはり作りが雑です。

まあ、とはいえ、これも人間の営みの一部、歴史の一部です。

貴重なコレクションの一枚となりました。

(何だ、金貨じゃなくて、ブラスかよ!)

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国名英国
金額ハーフギニー(を模したもの)
発行年1860-1870年(銘は1790年)
統治者ヴィクトリア女王(胸像はジョージ3世)
硬貨タイプトークン
材質ブラス
重量1.6g
直径20.5mm
厚さ0.7mm
鋳造数不明
鋳造場所英国バーミンガム
参照番号TC# 109253


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