今まで、ポンドやペニーは聞いたことがありましたが、ファージングという言葉はコイン収集を始めるまで聞いたこともありませんでした。
ファージング FARTHING は、4分の1ペニーです。
英会話の先生に、
「昨日、リカトンのサンデーマーケットで、1904年のファージング銅貨を見つけて買いました」
と言ったら、
「ファージングは、クオーター(4分の1)という意味よ」
と教えてくれました。
コインが導く生きた英会話。
実際に手にしてみると、すごく小さいです。
何しろ、日本の1円硬貨と同じ直径20mm。
こちらの写真で比較してみて下さい。
⇒ 「英国の銅貨の比較 ペニー、ハーフペニー、ファージング」
表は、右向きのエドワード7世です。
周りには、
EDWARDVS VII DEI GRA:BRITT:OMN:REX FID:DEF:IND:IMP
(Edward the Seventh by the Grace of God King of all Britains Defender of the Faith Emperor of India)
の銘が刻まれています。
この写真でも分かると思いますが、1897年から1917年までの間、ファージング銅貨は酸煙を使って人工的に黒くされていたとのことです。
というのも、ハーフ・ソブリン金貨と同じ大きさ(直径20mm)で、鋳造したての場合、間違えてしまう可能性があったからだとのこと。
であれば、大きさを変えるという選択肢はなかったのでしょうか、という疑問は置いておいて、次に行きましょう。
裏は、お約束のブリタニア。
右向きに座ったブリタニアが、左手にトライデントを持ち、右手でユニオン旗柄の盾を持っています。
そして、上に FARTHING、下に 1904。
1904年といえば、日露戦争開戦の年です。
エドワード7世の治世の1902年に日英同盟が結ばれ、英国はロシアのバルチック艦隊が東航する際、陰に陽にその邪魔をして、日本の勝利に貢献してくれました。
この銅貨のお陰で、司馬遼太郎の「坂の上の雲」をもう一度読みたくなりました。
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